coltrane plays the blues / John Coltrane |
オーディションを積み重ね、1960年9月下旬、ようやくジョン・コルトレーンにとって理想のカルテットが誕生する。マッコイ・タイナーをはじめ、スティーヴ・デイヴィス、エルヴィン・ジョーンズの面々、そして結成から間もないうちに、10月下旬3日間でアトランティックに数多くの曲を吹き込む。それらは「コルトレーン・ジャズ」には1曲、「マイ・フェイヴァリット・シングス」に収められ、共に61年、2月と3月に発売。そして本作にも収められ、62年7月に発売。 本作は、冒頭の〈ブルース・トゥ・エルヴィン〉を除くコルトレーンのオリジナル・ブルース集。ブルースを題材に、実験的試みを繰り広げ、さまざまな角度から光を当てているコルトレーン、ピアノレス・トリオが2曲あり、又ソプラノ・サックスのパイオニア、シドニー・ベシェに捧げたブルースではソプラノ・サックスで演奏をしています。 1曲目〈ブルース・トゥ・エルヴィン〉は、エルヴィンの作曲。スロー・テンポでピアノ・トリオから繰り出し、続いてコルトレーンはテナー・サックスでゆったりとした気持ちのいい歌いっぷり、マッコイは軽やかで楽しそうなソロ、再びコルトレーンが暖かくほのぼのと伸びやかに歌い上げる。 youtube.com/watch?v=ABW6wkkdQXI 2曲目〈ブルース・トゥ・ベシェ〉は、コルトレーンが終始ソプラノ・サックスで繰り広げるピアノレス・トリオ演奏です。軽快で澄み切ったソプラノ・サックスが冴えわたり、実にのびのびしてとても新鮮に感じられる。 3曲目〈ブルース・トゥ・ユー〉もピアノレス・トリオによる演奏。速いテンポに乗って、コルトレーンはテナー・サックスで吹きまくり、生き生きとした躍動感溢れるプレイ、最後にはアグレッシブなプレイのエルヴィンとの掛け合い演奏を繰り広げます。 youtube.com/watch?v=CGg_fnwc658 4曲目〈ミスター・デイ〉は、コルトレーンがテナー・サックスで威勢のいいテーマを奏でる。コルトレーンは凄まじいブロウで畳みかけるなど魅力的なソロを展開、続くマッコイのプレイは開放感があって爽やかな演奏。 youtube.com/watch?v=uiBsQBfrwZU 5曲目〈ミスター・シムズ〉、コルトレーンの滑らかな柔らかいソプラノ・サックスで流れるようなメロディーが奏でられる。マッコイは優雅で美しいタッチを加え、爽快な気分にさせてくれる。 youtube.com/watch?v=nrcCDJrwMIE 6曲目〈ミスター・ナイト〉、ベース、ドラム、ピアノと続き、コルトレーンのテナー・サックスは豪快なブロウで多彩なアドリブを繰り広げ、マッコイの小気味よいリズム感と続く。先の〈ミスター・デイ〉でもそうですが、ベース・プレイでのこの時期特徴的なテンポの緩急を付けている。これは次作品「コルトレーン・サウンド」でも使われている。 youtube.com/watch?v=hyj_HwKsVO4 7曲目〈アンタイトルド・オリジナル〉は、LPの時は「レガシー」に収録されていたトラック。この曲は個人的には魅力があってお気に入りの曲です。ソプラノ・サックスでコルトレーンの軽妙な吹きっぷりがいい感じで流れていき、マッコイは時に速いフレーズを交えながら緩急自在に、情感たっぷりにスウィングしています。 coltrane plays the bluesの商品詳細ページ |
![]() Recorded. October 24, 1960. Atlantic. John Coltrane tenor sax, soprano sax McCoy Tyner piano Steve Davis bass Elvin Jones drums 1. Blues To Elvin 7:52 2. Blues To Bechet 5:44 3. Blues To You 6:25 4. Mr. Day 7:56 5. Mr. Syms 5:19 6. Mr. Knight 7:30 7. Untitled Original 5:20 |